※ここからネタバレを含みます
スカーレットは聖の過去世。
聖はスカーレットの未来世。
私はそう感じました。
同一人物ですね。(同一魂)
スカーレットが人を殺めれば殺めるほど、聖は人を助けようとします。
それは2人の間にカルマの法則がはたらいているからです。
自らがした行いは、自らが回収する。
なぜなら、この世界は全てたすと「0」になる様に出来ているから。
スカーレットと聖が焚き火を囲うシーンで、
スカーレットが未来の渋谷のビジョンを見た時、「聖がリードしてくれた」と言いました。
あの言葉は、きっと聖という人格が、スカーレットの過去世を内包した魂として未来の渋谷を生きたことを示しているのだと思います。
元の世界に戻ったスカーレットは、
死者の国で聖に会い、「人を殺めない、憎しみの連鎖を終わらせる。」ことを学び、人々に貢献していくのでしょう。
自らの生で新たなマイナスのカルマをつくらず、自らの今までのカルマを解消していくのでしょう。
そうしたら聖は、ボロ雑巾の様に働く姿に惹かれ看護師になることを選んだり、道路を歩く子供達を救う為に自らの命を失ったりしないかもしれません。
(何が良いとか悪いとかは置いておいて。)
ショーウィンドウを眺めながらアイスを食べたりして、穏やかな平和を全うしながら、おじいちゃんになるまで生きる未来が待っているのかもしれません。
パラレルワールドが発生してくる未来ですが。
でもこの世界は本来「過去も未来も存在しない世界」ですし、全てが今存在しているのだと思います。
聖は、老婆がいう様に、スカーレット(過去の自分)を救う為に死者の国に来ました。
スカーレットは聖に会わなければ
憎しみの連鎖を断ち切ることが出来ず、悪とみなした存在を殺め、恨みながら死んでいったかもしれません。
「神の言葉は人にはわからない」
この作品を紐解くとき、思考ではなく、映画を見る方々自らが、繋がっておく必要がありそうです。
悪を倒し、正義が勝つ。
アニメ、漫画の世界では当たり前に王道のストーリーとして、今までの時代に採用されてきました。
でも、スカーレットはそれを選ばなかった。
もう善悪の世界を終わりにしよう。
というメッセージを感じました。
まだ発展途中とはいえ、
平和な今の時代の日本を生きる私達も、きっと過去世で沢山の人を傷つけた悪役の様な人生を送ったことがあるかもしれません。
それを忘れてしまっているだけで。
私達は過去世の様な「自分を許せ」るでしょうか。
私達は元々ひとつの存在。
そう捉えるなら。クローディアスもスカーレット自身であり、キャラバンを襲う盗賊もまた、キャラバンの人々自身ですね。
スカーレット、聖と、肉体を変えながら続く、
「愛について知る」ための魂の旅は、まさに「果てしなき」旅ですね。
